ドメスティックバイオレンス、いわゆるDVですが、数ある他者に対して行う行為の中でも最悪の部類に入るものです。

なぜDV加害者の方々がこのような行動に出るのかというのは多くの人が知りたいところなのではないでしょうか。

ですが、だからと言ってDV加害者が最悪な人間かと言えば、決してそんなことはありません。

ここでは、DV加害者の心理的な特徴と、治療や厚生をする上で必要な心構え等をまとめました。

 

DV加害者の心理的な特徴

DVの加害者というのは、ほとんどの場合においてストレスや不平不満が根底にあります。

誰でもストレスや不平不満はありますが、そのストレスや不満が一定の水準を超えた際に取る行動というのは人それぞれです。

たとえば直接的だと誰かを怒鳴ったり虐めたり器物を壊したり、陰湿なタイプだとネチネチと部下に対して小さなことで長い説教をしたり、ネットで悪口を書き込んだり罵倒したり。

あるいは暴飲暴食・爆買い、訳のわからない無駄な習慣等もその内に含まれます。

つまり、DVもこういった行動と性質的には全く同じということです。

そのきっかけであったり、あるいは一番やり易い相手であるという理由からその人に対してDV行為に及んでいるのです。

しかしDVというのは、上に挙げた行動の中でも最上級にストレスや不満が解消される行為になります。

何故なら、相手に対して圧倒的な上下関係を示せると同時に、元気を奪うことができるからです。

そのため、逆に攻撃してきたり訴えたり離婚する等の反撃に出られそうな相手に対しては基本的にやりません。

ですから、多くの場合はその前にしっかりと気力を奪ってから実行することになります。

もちろん、大概は後で罪悪感や自己嫌悪に襲われるので結果的にはストレスを逆に溜めることになりますが、一時的には非常に効率的なストレス発散法になります。

 

DVと育った環境の関係

DVの環境で育った人は大人になってからDV加害者になりやすいという話はよく聞いたことがあると思います。

それは何故なのかと言えば、いくつかの理由があります。

まず、DVの環境で育った人の心理について、大きく以下の二通りに分けることができます。

一つは

1:「自分があんな思いをしたんだからこいつらも同じ思いをするべきだ」

もう一つは逆に

2:「自分があんな思いをしたからこいつらには同じ思いをさせたくない」

です。

自分もDVをしてしまう人の多くは1の心理になります。

このケースにおいても二通りあって、それは頭で自覚している場合と、無自覚(深層心理の影響)である場合です。

無自覚な場合は、やった後で自己嫌悪によって苦しむこととなります。

 

また、同じように深層心理下で働く心理として

自分がされた行動がトラウマとなり過ぎているために似たような状況になると反射的にやってしまう。

これは遺伝的な性質だという思い込み

等も挙げられます。

これらの心理が働けば、たとえ

「自分があんな思いをしたからこいつらには同じ思いをさせたくない」

と考える2のタイプであったとしても、ついついやってしまう可能性はあります。

 

基本的に、DVなんていう人を理不尽に、かつ深く傷付ける行為を最初から頭で考えて、計算してやってしまうような人は少ないです。

もちろん、やってしまってからその行為を正当化し、計算して自分の立場が悪くならないようにと考える人は多いとは思いますが。

最初から頭で自覚してDVをしている人は、根っからの悪なのでこれは自己愛性人格障害を抱えている可能性があります。

その場合は、自分がDVをされた経験がなくとも、DV加害者、もしくはモラハラ・ストーカー等といった問題児になる可能性は非常に高いです。

そういう例外は除いて、大体の場合は1・2どちらのタイプにしても頭ではこんなことやりたくないと思っているので、自己嫌悪に陥ります。「自分は何て駄目な人間なんだ」と。

特に2のタイプは意識のかなり深くまでDVなんてしたくないと思っているので、その罪悪感や絶望感は余計に大きなものになります。

そうなると、さらにストレスを大きく溜め込んでしまい、活力(生命エネルギー)を失ってしまいます。

すると、それを補充する必要が出てくるためDVをすることで被害者のエネルギーを吸い取る必要が出てくるのです。

 

治療・更生の心構え

治療や厚生については、これまでしたDVの回数によって全く変わってきます。

一度くらいの過ちであれば、強い罪悪感を抱いたとしても、それをしっかり自覚し受け止め、相手に謝り償いをするという行動を取れば問題は解決します。

まだ一度くらいであれば、現実を受け止めることも可能だと思います。

特にアルコール等の影響であれば、相手も理解してくれるでしょうし反省して次からやらなければ大丈夫です。

ですが二度目以降になると癖になって常習化してしまうことと、そんな自分と向き合うことがより難しくなってくる、また謝っても相手も簡単には許せなくなってくるので、問題は一気に深みに嵌っていきます。

正直、基本的には二回やってしまっている時点でもう自分だけで解決することは非常に厳しいと考えた方が良いです。

やるとしたら、一度今の相手と別れて、その上でちゃんと誤って償いをして再出発、というやり方なのですが、それもやはり自分と向き合うというのが一番苦痛にはなるかも知れません。

ただしたとえ厚生施設なり、精神科医との相談、DV加害者更生プログラムにしても最終的に本人がやったことと向き合い受け止め、自分を変えるという意識を持たなければ解決はしません。

あくまでそういった相談も、自分が主体であるということを忘れないでください。

もちろん、自分は反省したつもり、現実を受け止めたつもりでも再び衝動に駆られることはあるでしょうし、最悪やってしまうかも知れません。

それでも終わりではないので、再び罪を償って再出発する。

そういった気持ちで挑むことがベストだと思います。

人間は誰でも大なり小なり弱いですし無自覚的に他人を傷付けているので、あまり自分だけが駄目だと思い過ぎる必要はありません。

そこまで反省して直す気がある人であればその時点で健全な精神を持っているので、その気持ちを持ち続けて努力をしていけば良いと思います。

自分なりの前進、という気持ちで望んでください。