子育てにはいくつか節目と言えるタイミングがありますが、反抗期もまさに節目と言えるのではないでしょうか。

ほとんどの子供に反抗期はあり、特に息子の反抗期については暴力的になることも多く、本気で手を焼いている方も多いようです。

何を言っても反発される、もしくは聞き入れずに暖簾に腕押し。「反抗期はだれにでもあるもの」と分かっていても、理不尽に反抗されるばかりでは心は疲労してしまいます。

反抗期の子供たちの心理はいったいどういう状況にあり、大人、特に親はそれに対してどのように接し、対応していくべきなのでしょうか。

 

反抗期の子供の心理的な原因

友達といる時はそれなりに楽しそうにしているのに、それ以外の時には妙にイライラしている。

親に話しかけられようものなら、極端に乱暴な態度で応答する。一緒にいるのも怖い・・・。

思春期の子供の心の中にはエネルギーが渦巻いていて、それが反抗的な態度として表出しています。

機嫌が悪そうな様子を見て大人は「いったい何があったのだろう」と、その原因探しをしようとします。

ですが実のところ、どうして自分がこんなにイライラしているのか、どうして大人に苛立ちや腹立たしさを感じているのか、子供自身も把握していないことがほとんどです。

なぜだかわからないけれどイライラする、腹が立つ。だから反抗的になってしまう。

当人たちにとって、その「なぜだかわからないイライラ」を共有できるのは、同じ思春期の子供同士だけなのです。そのため、その年代の子どもたちのグループは凝集性が高く団結しやすい傾向にあります。

 

コントロール不能な精神状態

大人であれば、多くの場合は自分の感情を分析することで原因を突き詰め、何とかバランスを取ることができます。そのため、思春期の子供にもそうした分析を求めてしまいがちです。

しかし前述のように、いくら分析しようとも子供たちに原因はなかなかわかりませんし、たとえわかってもバランスを取ることは非常に難しいのです。

専門的に言えば、思春期は発達段階の「青年期前期」というところにあり、「自分は何者なのか」(=アイデンティティ)の確立に取り組むステージの入り口にいます。

自分が何をしたいのか、何をすれば充実したと感じ、どのように社会と関わっていくのかを、様々に試みながら自然と模索していくのです。

※ちなみにこのアイデンティティーに関しては良い悪いを問いません。ともかく自分の中で整理が付けば良いのです。ただしとりあえず青年期に一段落しても、大人になってからまた迷うことは必ずあります。

 

彼らが属しているのは家庭や学校という規制の厳しいコミュニティ。

やってみたいと思ったことに手が届かなかったり、自分の希望が通らず理不尽な思いを重ねたりします。

大人でさえはっきりとつかめない「自分のやりたいこと」を掴む作業には大きなエネルギーを費やします。

さらに思春期には第二次成長も起こりますから、自分のあずかり知らぬところで体が勝手に変化します。

それまで自分のものと信じて疑わなかった体が自分の意志とは無関係に変化していくことを受け入れるのは、かなりの労力を必要とします。

大人だって、白髪が増えてきたり加齢臭がすると言われたり、ちょっと運動しただけで疲れたりしたら不安な思いをするのではないでしょうか。

変化がポジティブなのかネガティブなのかもありますが、変化自体に対する恐怖はそれ以上に大きいのです。

現に、慣れればほとんどの大人もそれらの変化を受け入れますよね。思春期の子供たちは日常的にそうした不安にさらされているのです。

体や心が自分のコントロールをいったん離れる。それをもう一度自分の側に引き寄せるのが中学生から大学生頃の青年期の課題です。

「子供が言う事を聞かない」という大人の悩みと同じくらい「自分自身が言う事を聞かない」という悩みを深めているのが思春期の子どもたちなのです。

 

親がすべき接し方・対応

突然自分の手から心や体が離れて行って戸惑っている子供たちに、「どうしてしっかりコントロールしておかないんだ」と怒号を飛ばすのは理不尽です。

問題の原因を一方的に子供に求めることは絶対にしてはいけません。

また、問題を客観的に分析させて原因を見つけさせるのも望ましくありません。

ここで子供のせいにすると、彼らは自分でもどうして良いかわからず、ますますドツボに嵌っていきます。

また、自分や他人に危害が及ぶことからは守ってあげなくてはなりません。

混乱した子供は時に判断力を失ってしまいますから、本当に危ないところに落ちないように周りの大人がセーフティネットを張っておく必要があります。

まとめると、大人にできることは大きく

「大人がやるような分析や原因探しを子供に求めないこと」

「子供の不安定な気持ちや反抗的な態度を理解してあげること」

「本当に危ないことから子供を守るために目を配っておくこと」

の3点になります。

積極的にこちらから働きかけると言うよりは、子供の動向をよく見ておくこと、そしていざという時に力になれるように準備をしておくことが大切です。

そういう理解ある大人がいることを知っていれば、本当に困ったとき、子どもがSOSを出しやすくなるでしょう。

つまり、そういうものだと思って子供のことを理解・我慢し、いざというときに備えることこそが最大の対応策なのです。

 

原因探しと解決は親の役割

ここまで子供の心はコントロール不能であり、本人も考えても原因がわからないし考えさせるのは逆効果とお伝えしてきましたが、原因はあることはあります。

反抗期というのは怒る原因が火種となっている状態なので、その火種を減らせば減らすほど反抗も落ち着くのは間違いありません。

ではどうやって原因を見つけるかというと、子供ではなく親が、具体的ではなくて抽象的に考えるのです。

ほとんどの場合において、原因といっても一つではなく複数存在します。

たとえば、子供は親がよく小さいことに文句を言うところとか、自分が納得いかないことに対して一方的に叱るところとか、しつこく色々求めてくることに対して不満を抱いているかも知れません。

自分のことをまず振り返って、不満を抱かれているかも知れないという部分を見つけることです。

それらを解消するだけで、子供の態度は間違いなくマシになるはずです。

いくら反抗期でも、親に何らかの不満がなければ親に対して暴力的になる等の態度は基本的に取りません。

ただ思春期の場合は自分自身の容姿が気に入らないことや学業等における劣等感を親の遺伝のせいだとぶつけることもありますから、そういう親としてはどうにもならない怒りもちゃんと受け止めてあげることが大事です。

ここで悲しがったらそれは悪いものだからという認識になってさらに怒りの理由を与えてしまうので、自分が悪かったという態度ながらもなるべく堂々としてください。

息子の場合はときに暴力もあるかも知れませんが、それもできるだけ前向きに受け止めるのです。

ここまでするのはなかなか難しいかも知れませんが、子供はそういった態度をしっかり見ているのでできれば必ず変わります。

上でも話しましたが、大事なのは理解ある大人になることなので、できる限りそうなれるように目指してください。